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ラクダホテル本館について
自分の感覚を見つめ、
その感覚を大切に扱い、
自分自身を信頼し尽くす
それはいつでも、
私自身が「わたしの軸」につながり続けるための大切な指針となっています。
「感覚を見つめる」
その方法は、ひとりひとり様々。
ヨガでからだを動かしたり、瞑想をしたり、音を奏でたり、旅に出かけたりすることも方法のひとつかもしれません。
自分の感覚を見つめるヒントは、なんでもない日常の暮らしの中にもたくさん。
そして、感覚を見つめ続けた先に、「わたしの軸」へとつながり、「本来の在りたい自分」で在れるのだと思います。
「わたしの軸」は、どこか遠くにあるものではなく、
誰かに教えてもらうものでもなく、「わたしの内側」に、「わたしの中心」に、あり続けるものだから。
Lin Lie の場合
たべて、ねむって、はたらいて、
家をととのえ、
からだを動かして、語らう
自分自身が喜ぶ感覚や心地よい感覚、
はたまた、居心地の悪さや違和感など、
暮らしをくりかえし紡いでいく中で、
自分の感覚を見つめ続けています。
そして、見つめたその感覚を受け止め、
信頼し尽くして、行動してみる、
の繰り返しです。
自然を食べること
自然を身につけること
自然に身を委ねること
自然の一部だと感じること
自分の中の自然とつながること
自然(月)のリズムで暮らすこと
自然はいつでも、大きく大きく感覚を広げてくれ、
そして、自分の中にある感覚を見つけ出しやすくしてくれます。
お米を研ぐ、浸水する、水加減を調整する、
炊いている音を聞く、
香りを嗅ぐ、火を見る、
炊き上がったお米の状態を確かめる
手のひらに塩を感じる
手のひらにあつあつのお米を感じる
祈りを込めてむすぶ
そのシンプルな工程のすべてに対して、
感覚を研ぎ澄ませていくことは、
感覚を見つめることのできる最良の時間となっています。
なぜ、おむすび?
2016年の秋、これまでの半生(であろう?)を振り返る期間を作り、約半年間をかけて、20年の振り返りノートを綴りました。20年分の出来事を見返した時、ごくごくあたりまえだけど、「これまでたくさんの人から、たくさんのコトやモノを頂いてきたのだな」という「感謝」がそこにありました。
そして、これからの人生は「自分の手を通して何かを手渡していける人でありたい」と心に決めました。その”何か”は、
まだわからないけれど、手渡すためのツールは、暮らしの真ん中にある「食べるもの」にしたい、と思ったのです。なぜなら、食べるものは、どんな人にもダイレクトに心に響いてくるものだから。
では、「何を?」というところで、随分と逡巡しました。
実は、不器用の代表みたいな私なのですが、どうしても、手のエネルギーを込めて作ったものを手渡したい。
「私の手で何が生み出せるのだろうか?」と、幾月かの時間、試行錯誤を繰り返していました。
そんな中、ふと思い出したのが、「おむすびが紡ぐ物語」
2007年、フランスのトゥールーズという町で、私がむすんだおむすびを両手で頬張るように食べてくれた玲雄さん。
数年後、(私の知らないところで)私の友人のさおりちゃんと出会った玲雄さんが、
「今まで食べた中でいちばん美味しかったもののひとつはフランスのある町で食べたおむすびだ」と物語り、
私はその話をさおりちゃんから聞いて、それはそれは驚き、大感動したのです。
自分のおむすびが何年も人の心に残っていることに。巡り合わせのご縁の不思議に。
そして、おむすびが持つ力に。
それを思い出した途端に、
「そうだ、わたしにはおむすびがある、おむすびをむすんで生きていきたい」と心に決めたのです。
そして、2017年、島根の世界遺産の町にある「メインディッシュがおむすび」という1日3組限定の宿で、
おむすびをむすぶ役割を頂戴することとなり、毎晩、おくどさんに薪をくべてごはんを炊き、心を込めておむすびをむすび続ける中で、
おむすびの持つ力を確信し、そして、自分が調っていく、自分の軸につながっていく感覚を知り、
自然と、「わたしの軸につながる場所」を手渡していきたいと感じたのです。
Lie Lin について
台湾にルーツを持つ、神戸生まれ。
幼少の頃から、周りの世界に漠然とした違和感を感じることが多く、成長するにつれて、違和感は増え続け、
でも、何に対するものなのかわからないままに悶々と過ごして行くうちに、それは、アトピーや失声症などからだの症状として現れていく。
2009年、植物の力と出会い、からだの不調が大きく改善されていくことで、自然界の大きな力を実感するようになる。
それは、違和感ではなく、はじめて、自分を取り戻したような感覚に。
「植物の世界に触れていたい」と、都内のナチュラルコスメの会社で植物の力を感じる商品開発などに携わる。
以来、アロマテラピーやフラワーエッセンスなどの植物の力、発酵食品や自然栽培などの食べるものの力など、
自然界への探求をはじめ、同時に、ヨガや瞑想、呼吸などを暮らしの中に取り入れることで、こころとからだの感覚を見つめる実践を続けている。
2017年秋、島根県の世界遺産の町にある「メインディッシュはおむすび」という1日3組限定の宿へ「おむすび留学」。
約1年間、毎晩、お客様に心を込めておむすびをむすび続け、おむすびの奥深さを感覚的に学ぶ。
「自分の手でおむすびをむすび、「わたしの軸につながる場所」を手渡して行きたい」と、
2018年より、ラクダホテル別館をスタート。2021年より、ラクダホテル ハナレプログラムをスタート。